
(会員 N.O)
(文責:この記事は、2014年4月から2020年3月まで東京第一友の会が情報提供をしていた、NHKニュースandスポーツ(有料ニュースサイト)に掲載されたものを一部、加筆修正して掲載します。)
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始めよう!お弁当生活
春から新生活。お弁当生活が始まるという人もいるでしょう。お弁当を作るのは手間も時間もかかり、心理的に負担だと感じる人も多いようですが、お弁当は栄養バランスが良く、家計に優しいのが魅力です。外出先でお弁当を食べると精神的に安心する、といった意見もあります。
毎日作るのが大変であれば1週間のうち数日でも良いでしょう。全部手作りしようとせず、市販品や冷凍食品を上手に利用してハードルを下げましょう。作り慣れてくると、お弁当作りが楽しくなるという相乗効果もあります。今回はお弁当作りの基本を確認していきましょう。
配分の確認
お弁当箱をイメージしてみましょう。お弁当箱の半分がご飯などの主食、残りの半分がおかずです。この配分をまず頭に入れます。そしておかずの半分が肉、魚、卵などのたんぱく質源、残り半分が野菜、果物になります。
主食:たんぱく質:野菜 = 2:1:1
この割合を意識すると、栄養バランスもよく、食事内容にも満足が得られます。
衛生面の注意
特に梅雨の頃から夏場は食物が傷みやすいので注意が必要です。冬場でも暖房が効いた室内や、直射日光が当たるところでは温度が上がります。お弁当は涼しい日陰に置くことを心がけましょう。
前日に作ったおかずは、翌朝加熱して、しっかり冷ましてから詰めます。蒸気の水滴がつくと傷みやすくなるので、炊き立てのご飯は、ザルや金属製のトレーなどに出して冷ましておきましょう。野菜に残る水分はキッチンペーパーなどでしっかり吸い取って、水気を残さないようにします。
味付けと調理法でバリエーションを
五味五法という言葉があります。五味とは、甘い、酸っぱい、塩辛い、苦い、辛い、の五種の味です。五法とは、生、煮る、焼く、蒸す、揚げる、の五種の調理方法です。これらをうまく組み合わせて、お弁当のバリエーションを広げましょう。
正油で甘辛く煮た味付けは美味しいですが、お弁当全体が同じ味付けで茶色になってしまった、とならないように、味付けには変化をつけましょう。全体をイメージして味付けや調理法を変えると、満足度が上がります。お弁当は時間が経ち、冷めた状態で食べるので、いつもの食事よりも、ほんの少し濃い目の味付けにすると、食べやすく、傷みにくくなります。
鶏肉の五法
(生で食べないので四法で考えます)
煮る: 筑前煮、茹で鶏、鶏の蜂蜜煮、
焼く: チキンソテー、照り焼き、味噌焼き
蒸す: 蒸し鶏
揚げる: 唐揚げ、チキン南蛮、チキンチキンゴボウ
常備菜、夕食のおかずを利用
忙しい朝、お弁当を一から作るのは大変です。作り置きの常備菜や夕食のおかずをうまく利用しましょう。梅干しや佃煮など、詰めるだけのおかずがあると便利です。
お弁当は一つ作るのも、二つ作るのも手間はあまり変わりません。家族のお弁当を作るついでに、自分のお弁当も作っておくと、昼食の心配が不要になります。留守番の子ども用に作り置いておくのも良いでしょう。
冷凍保存を活用
ひじきやきんぴら、煮豆などの常備菜は冷凍することができます。小さなパックに小分けして冷凍しておくと、そのままお弁当に入れることができ、食べる頃には自然解凍されるのでとても便利です。夏場は保冷剤代わりにもなります。一度にたくさん作る常備菜は、冷凍する一手間をかけておくと、後が楽になります。
モチベーションを上げるための工夫
お弁当を作るのが楽しくなる工夫をしましょう。お気に入りのお弁当箱、お弁当包みやお箸ケースなどを用意すると、お弁当作りが楽しくなります。日頃から食材を見て「これはお弁当に使えるのでは?」とアンテナを張り、デパ地下の食品売り場などを探索してみると、いろいろなアイデアが得られます。義務感からでなく、楽しみながらのお弁当作りができると、苦にならないですね。
手抜き上手に
お弁当に入れるおかずが作れない時はおにぎりだけでも。パンにハムやきゅうりを挟むだけの簡単サンドイッチはほんの数分で作れます。茹で卵やみかん、ヨーグルトをつけるだけで、嬉しいランチに。お湯を注ぐだけのカップスープや味噌汁があれば、体も温まり、満足度はアップします。お弁当作りは頑張り過ぎないのが長続きさせるコツです。

ある「友の会」の会員は、過去を振り返って次のように述べていました。「息子が思春期の頃、ほとんど口を聞かない時期がありました。やりとりは学校に持っていくお弁当だけ。それでも、毎日空になったお弁当を見るとほっとしたものです。振り返るとその当時はお弁当が唯一、子どもとのつながりを感じられるものでした。今振り返ると、懐かしい思い出です。」
お弁当は手間がかかるものですが、作り手も食べる側も、喜びを感じられるものです。あまり気負わずにトライしてみるのがいいですね。
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開けて嬉しいお弁当!

便利な定番おかず
これがあれば安心、という常備菜が冷蔵庫(冷凍庫)に2つもあれば、怖いものはもうありません。何度も作って基本をマスターすれば、素材を変えるだけでバリエーションが広がります。
5つの調理法(五法)で簡単にできるおかずをご紹介します。
「生」 人参のドレッシング漬け
(作り方)
人参1本(200g)を細く切り、塩小さじ1/2をふり、混ぜてしばらくおく。出た水分を捨て、砂糖大さじ1、酢大さじ2、サラダ油大さじ4を加えて混ぜる。
「煮る」 さつまいものレモン煮
(作り方)
さつまいもは食べやすい大きさに切り、鍋に並べる。ひたひたの水を入れ、調味料(さつまいも100gに対し砂糖大さじ1、塩ひとつまみ)をいれて柔らかくなるまで煮る。レモンを一切れかレモン汁を最後に加えると色よく仕上がる。

「焼く」 ピーマン炒め
(作り方)
ピーマン5個は種を取り除き、細切りにする。油を熱したフライパンで炒め、塩、胡椒をふり、ウスターソース大さじ1をかけ水分を飛ばす。
醤油で味付けをして鰹節と海苔をかけたり、ジャコと炒めてもOK。

「蒸す」 蒸し鶏
(材料)
胸肉 1枚
酒 大さじ1
砂糖 小さじ1
塩 小さじ1/2
(作り方)
1 鍋にお湯を沸かします。
2 湯煎調理できるビニール袋に、酒大さじ1、砂糖小さじ1、塩小さじ1/2を入れよく混ぜます。
3 胸肉に味が染みやすいようにフォークで穴を開け、観音開きにして厚さを均一にする。
4胸肉をビニール袋に入れ調味料をよく揉み込みます。
5袋ごと沸騰した鍋に入れ、弱火で10分加熱し、火を止め蓋をして1時間ほどおきます。
ゴマソース
ねりゴマ(大さじ1) 醤油(大さじ1) 酢(大さじ1) 砂糖(小さじ1/2)
ねぎソース(日持ちするので多めに作っておくと便利)
長ネギ (みじん切り 1/2本) 醤油(大さじ6) 酢(大さじ2) 酒(大さじ2)
※ソースはマヨネーズやポン酢でも。梅肉、大葉ともよく合う。パンにはさんでサンドイッチにしても美味。

「揚げる」 ぶりの竜田揚げ
(材料)
ぶり 4切れ
生姜 1片
醤油 大さじ3
みりん 大さじ1
酒 大さじ1/2
片栗粉 適宜
(作り方)
1 ぶりを食べやすい大きさに切り、軽く塩(分量外)を振り、10分ほどおく。
2 ぶりから出た水分を拭きとり、生姜をすり入れた調味料につけ、30分ほどおく。
3 調味料を軽く拭き取ったぶりに片栗粉をまぶす。
4 フライパンに炒め物の時より少し多めの油を引き、弱めの中火で火を通す。

彩りを意識する
蓋を開けた瞬間、笑顔が浮かぶようなお弁当をイメージしましょう。彩りが良ければ、栄養バランスも取れているものです。赤、緑、黄色などカラフルな色合いは食欲をそそります。お弁当に限らず、日々の食事作りや外食の際にも、食材の色に意識を向けてみると良いでしょう。

赤:プチトマト、パプリカ、人参
黄:卵、かぼちゃ、大豆、さつまいも
緑:ブロッコリー、ピーマン、ほうれん草、きゅうり
黒:海苔、椎茸、ごま
ちょっとした変化で脱マンネリ
お弁当箱やご飯の詰め方を変えるだけでも印象が変わります。ご飯にのせるものは、定番の梅干しだけでなく、ごまやふりかけ、ゆかりに変えてみたり、海苔弁にしても楽しいものです。ちょっとした変化をつけることで、「今日のお弁当、美味しかったよ」と、家族の会話のきっかけになるといいですね。
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▼▲▼羽仁もと子の言葉▼▲▼
さびしい枝に春が返り、冷たい土が暖められて、いろいろな芽を出すように、沈滞の中に死んでしまったような姿の中に、復活の力が脈々として動いているのは我々の生命です。きのうのままに見えているさまざまの事情も、祈って待つものには、たしかにそれが希望に向かって動いています。
−「自由の翼をのべて」羽仁もと子著作集『自由・協力・愛』より
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4年間に渡って掲載したこのコーナーも今回が最終回となりました。
現代社会は忙しく、職業を持つ人も多く、羽仁もと子の言葉通りに暮らすことは、とても難しいと感じますが、出来ることから、ひとつずつ。いつからでも、どこからでも最初の一歩は踏み出せます。明るい希望を持って春を迎えたいと思います。