
(会員 N.O)
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上手な時間の使いかた

下半期がスタートしました。気持ちも新たに毎日を過ごしたいものですね。
忙しい毎日を送っていると、いつも時間に追われているような気分になります。ほんの短い時間でも「時間に使われている」から「時間を使っている」という意識にシフトチェンジし、充実した日々を送れるようになるとよいですね。
時間の過ごしかたを記録してみる
筆者が所属している婦人団体「友の会」では、5年に一度「生活時間しらべ」を実施しています。「生活時間しらべ」とは、5分ごとに、24時間の生活を1週間記録し、ライフスタイルの問題点や課題、改善を見いだす調査です。
これは統計を取るためでもあり、細かな記録が必要になるので、一般的には難しい作業です。そこで、誰でも簡単に出来る「生活時間しらべ」の方法を2つご紹介します。1つ目は30分または1時間ごとに生活を記録する方法です。2つ目は朝食、就寝など行動した時刻を記録する方法です。
●時間で記録する(例)
10月4日(金) 10月5日(土)
05:00 起床 -
05:30 洗濯 -
06:00 朝食・弁当作り 起床
06:30 朝食 朝食作り
●行動した時刻を記録する(例)
10月14日(金) 10月15日(土)
起床 05:00 06:00
朝食 06:30 07:00
昼食 12:00 12:30
帰宅 18:30 -
夕食 19:30 19:30
入浴 21:30 21:00
就寝 23:00 22:30
筆者が一週間の記録を取った結果、それぞれの行動の平均時間が見えてきました。睡眠:418分(6時間58分)、食事:100分(1時間40分)、入浴など身の回りのことにかかった時間:141分(2時間21分) 仕事・就労や社会活動は、合わせると210分(3時間30分)でした。仕事の繁忙や曜日によっても結果は異なりますが、平均時間を出してみると、日常生活のリズムが大まかに見えてきます。
自分の1週間を改めて振り返ってみると、適度に忙しい日の方が充実感を得ることができ、逆に予定が入っていない日の方が、家事をするのも億劫に感じ、疲れてしまったことに気づきました。また、平日も休日も、起床・就寝、食事の時間を大きく変えない方が、生活リズムが保ちやすく、体への負担が少ないことが分かりました。
生活時間を表にしてみることで、普段、あまり意識していなかった生活リズムが、気分や体調にどう影響するのか知ることができ、時間の使い方を考える上で参考になりました。
自分の行動に意識を向ける
「生活時間しらべ」を行い、いつも驚くことは、いざ記録しようとすると自分がその日、その時間に何をしていたのか、よく思い出せないことです。睡眠や仕事の時間は明確に記せるのですが、それ以外は、その都度細かく時間と内容をメモしておかないと、全く思い出せませんでした。加えて、自分がいま何をしているのか、はっきり自覚していないこともありました。読書をしながらお茶を飲み、メールをし、テレビを見ていたり。ときには、休憩しながら家事を行い、どちらも中途半端になってしまって、満足感が得られていないことがよくありました。無意識に過ごしていると、時間はあっという間に過ぎてしまいます。たくさんのことを一気に片付けようとするよりも、落ち着いて一つ一つの物事に向かう方が、結果的に作業がはかどることも分かりました。「今から私はこれをする」と確認してから行動をすると、作業に集中でき、途中で脱線することが少なくなるようです。

友の会の「生活時間しらべ」
自由な時間に何をしたい?
調査のあとに、友の会では「もし自由な時間が与えられたら、何をしますか?」というアンケートを行いました。寄せられた回答をご紹介します。
●自由時間が15分〜30分ある場合
片付けや掃除、読書、新聞を読みたいという意見が一番多くありました。このほかに、お茶を飲む、休憩、電話、メールと言った意見も。食事の下準備をしたいという人もいました。簡単そうでなかなか確保できない隙間時間ですが、15分から30分、時間に余裕があれば、もう少し心静かに、丁寧に家事ができるようです。
●自由時間が1時間ある場合
片付けや掃除のほかに、読書、手紙を書く、長風呂、DVD鑑賞、お茶を飲む、語学の勉強、ピアノ、本の整理といった意見がありました。文化的なことに時間を割きたいと思っている人が多いようでした。
●自由時間が半日ある場合
映画、お菓子作り、手仕事、ウィンドウショッピング、美術館巡り、庭仕事、勉強、休養など。やりたいと思っていたことが実現できると気分もすっきりしそうです。

●自由時間が1日ある場合
友人と会う、日帰り旅行、美術館・展覧会、編み物・縫い物、休養、ゆっくりする、ドライブ、実家に帰る、大掃除など。丸一日自由な時間を持てることはなかなかありませんが夢が膨らみます。
長い自由時間より、短い自由時間の方が、具体的にやりたいことが思い浮かびやすいようでした。特に子育てや仕事で忙しい毎日を送っている若い世代にとって、ほんの少しの間でも、自分だけの時間を持つことは貴重なことのようでした。
やりたいことを具体的にイメージしてみる
「どこか遠くに旅行に行きたいな」と漠然と思うことはあっても、筆者は具体的に考えることはありませんでした。自由な時間を半日や1日確保するのは簡単ではありませんが、短い時間であれば、工夫次第で確保できるかもしれません。時には「自分は何をしたいのか?」と意識的に考えてみることも大切です。そうすれば、ぽっかり時間が空いた時に、すぐに実行に移せます。やりたいことが「一日中パジャマでのんびり過ごしたい」だとしても、希望がかなった時の満足感は大きく、充実感が得られることでしょう。
家事にかかる時間を把握する
3分で出来ること
布団の片付け、障子のハタキかけ、新聞を束ねる、エアコンのフィルター掃除
5分で出来ること
パジャマズボンのゴム替え、レンジ周りの壁掃除
10分で出来ること
洗濯物干し、靴磨き(3足)、ガラス拭き(表裏2枚ずつ)、玉ねぎみじん切り(3個)
―シンプルライフを目指す基本の家事『婦人之友社』刊より
お皿を洗うだけであれば10分程度で済むが、流しを含め台所全体をきれいにするには30分かかることが分かったという主婦がいました。かかる時間が読めるようになったことで、見たいテレビ番組の前に片付けを終わらせよう、お皿だけでも洗っておこうと、気持ちの切り替えが出来るようになったそうです。かかる時間をあらかじめ予測するくせをつけると良いでしょう。

隙間時間の活用
時間を使うのが上手な人は、手元にいつも「やりたいこと」を用意しているようです。読みたい本、刺繍などの手仕事、便箋などを持ち歩き、ちょっとした隙間時間にすぐ取りかかれるようにしています。「この時間を使って何をしようか」と考えてみるのも楽しいものです。
ごほうび時間を取り入れる
仕事の合間でも美味しいお茶を飲み、外の空気を吸ったり、ストレッチを行うといった気分転換をすると、効率も上がります。たまには、ゆったりとしたバスタイムを取って、リラックスしてみるのも良いでしょう。生活の中で、自分にご褒美時間をあげることで、心明るく過ごせるようになるのかもしれません。

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網戸の掃除

涼しい風が吹き、窓を開けることが増えてきました。この時期に、網戸の汚れを落としましょう。風通しが良くなり、部屋の中も明るくなります。
外せる網戸は外す
小さな窓の網戸など、簡単に外せるものは外してしまうと、楽に掃除がきます。ほこりを落とした後は、水道のある屋外やベランダ、風呂場などで洗い流します。たわしや毛の細いブラシなどを使うと便利です。
まずはほこりを落とす
ベランダなどの大きなサッシは取り外さずに掃除します。まずは内側からハタキでほこりを落とします。外側のほこりを落とすときは、窓を閉めて、屋内にほこりが入らないように注意し作業します。その後、片手に雑巾、片手に水で濡らしたスポンジを持ち、両手で挟むようにして網戸を拭くときれいになります。スポンジには多めに水を含ませておき、最後にもう一度乾拭きすると、汚れが取れてすっきりします。

日頃のお手入れ
普段から週に1回程度、両面からハタキをかけておき、3〜4か月に一度、雑巾で拭いておくと、汚れが溜まりにくくなります。開け閉めの頻度が多かったり、交通量の多い道路に面した窓は汚れやすいので、こまめにチェックするようにしましょう。台風シーズンの後に手入れをしておくと、爽やかな秋風を気持ちよく家の中で感じられるようになります。
サッシの手入れ
サッシは、ほこりが溜まりやすいところです。網戸掃除のついでに、サッシも掃除しておきましょう。割り箸や竹串に布を巻いて拭き取る方法などありますが、筆者はペンキ用の刷毛をよく使用します。まずは乾いたまま汚れをかきだします。これだけでもかなりきれいになりますが、汚れのひどい時はペットボトルなどに水を入れ、汚れを洗い流します。最後に乾拭きをします。サッシがきれいだと開け閉めのたびに気持ちが良いものです。

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▼▲▼羽仁もと子の言葉▼▲▼
現状に満足することができない心が、自然にああしたいこうしたいと思う望みをつくり出している。その大切な望みを捨てず、一つ一つとりあげてよくよく見ると、努力して手近な理想に達すべき道は、その中にいくつか隠されていることを発見するものである。
−「現実と理想」羽仁もと子著作集『友への手紙』より
次回は11月12日(土)更新予定です。お楽しみに。
(文責:この記事は、2014年4月から2020年3月まで東京第一友の会が情報提供をしていた、NHKニュースandスポーツ(有料ニュースサイト)に掲載されたものの一部です)