
(会員 N.O)
(文責:この記事は、2014年4月から2020年3月まで東京第一友の会が情報提供をしていた、NHKニュースandスポーツ(有料ニュースサイト)に掲載されたものの一部です)
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プラスチックフリーを心がけよう

地球温暖化が心配されて長く経ちますが、昨今「プラスチックフリー」という言葉をよく耳にするようになりました。人間の暮らしから出るプラスチックごみが海に流れ出る量は、1分間でトラック1杯分と言われています。
多くの海洋生物がそれらを餌と間違えて飲み込んだり、体に巻き付いて生命を落としています。
プラスチックは軽くて水を弾き、加工しやすいために、あらゆる製品に利用されています。完全にプラスチック抜きの生活は難しいですが、心がけしだいで確実にプラスチックごみを減らすことができます。私たちと生物が暮らすこの地球を守るために、いますぐできることを考えていきましょう。
なぜプラスチックごみは海に流れ出るのか?
海岸や海上から捨てられたものだけではなく、川の上流で捨てられたものが下流に流れ、海に出て行きます。川の河口付近に溜まるばかりでなく、海流に乗り何千キロも旅をします。波に洗われてプラスチックごみは小さな破片になり、海洋生物の体に取り込まれてゆきます。ごみばかりでなく、私たちの洗濯、洗い物といった生活排水からもマイクロプラスチックは下水道を通って、海に流れ出てゆきます。

ペットボトル
自動販売機、コンビニ、駅の売店、スーパーなど、どこでも簡単にペットボトル入りの飲料を手にすることができます。毎日購入すると1週間で7本、4人家族では28本になり、ひと月で120本もの量になります。それぞれがマイボトルを持ち歩く習慣を身につければ、ペットボトルの消費を大幅に減らすことができ、環境にも優しく、お金も節約することができます。

食品トレー
利用をゼロにするのは難しいですが、減らすことは可能です。「友の会」で調査を行いました。意識して買い物をしたところ、ある会員は1週間分の発砲トレーが14枚から7枚へ、プラスチックトレーは7枚から3枚へと半分程度に減らすことができました。精肉はビニールに入ったものを選んだり、対面販売の店を利用。魚は切り身でなく一尾で購入するといった工夫で削減できました。意識するだけで、すぐに変化は生まれるようです。利用したトレーは自治体の分別資源ゴミや店舗のリサイクルに出しましょう。
食品包装用ラップ
とても便利で、毎日の生活になくてはならないものですが、少しの心がけで使用を減らすことは可能です。繰り返し使える蓋があると、電子レンジを利用する度にラップを使わずに済みます。専用の蓋がなくても、お皿や保存容器の蓋をかぶせることで代用できます。最近は蜜ろうラップという布製のエコラップが注目されていますが、繰り返し使用でき、可愛らしい柄の布が多いのも人気で、自分で選んだ好きな柄の布で作る人も。(『かぞくのじかん vol.51』〜つくってみたいな! 何度も使える まほうのエコラップ サルビア〜参照)ラップを使用する前にちょっと手を止めて、代用できるものが身近にないか探してみましょう。
保存容器
冷蔵庫で食品を保存するのに便利ですが、素材にも意識を向けてみましょう。プラスチック製品は劣化してくると環境ホルモンを出す可能性もあるため、ガラス製や琺瑯(ほうろう)など耐久性のある素材のものを積極的に利用しましょう。繰り返し使える、匂いがつかない、洗いやすいといった点に優れますが、電子レンジで使えないこともあるため、用途によってうまく使い分けるとよいでしょう。

ストロー、フォーク、スプーンなど
ファミリーレストランでもドリンクバーのストローを置かないところが増えてきました。一度使ってゴミになるものは、なるべく使用を減らしましょう。コンビニやお弁当屋さんでフォークやスプーンをもらう場合は必要最低限の量に抑えましょう。家の中に余分なものが増えるのも防止できます。最近は自分用に「マイ箸」を持ち歩く人も増えています。
レジ袋
レジ袋が有料化され、お買い物にはエコバッグを持参する人が多いことでしょう。普段から、エコバックや折りたたんだレジ袋を1枚カバンに入れておくと何かと便利です。また、風呂敷があるとバックとしても使え、寒い時のショールや日よけ代わりにもなります。旅行中は衣類を包むこともでき、一枚あると役に立ちます。
洋服選び
フリース素材やポリエステル、ナイロンなどの化学合成繊維の服は、洗濯のたびに大量のマイクロプラスチックファイバーが流れ出ることがわかりました。軽くて暖かく、乾きやすいといった利点が多いため、化学繊維の利用をゼロにすることは難しいかもしれませんが、可能な範囲で天然素材を意識して選ぶと、少しずつ環境に優しいワードローブになっていきます。友の会では、洗濯ネットもさらしで作って愛用する人が増えています。
スポンジなど
ナイロンスポンジやエコだとされていたアクリルたわしからも、マイクロプラスチックが流れ出ることがわかりました。現在「友の会」では昔ながらの亀の子たわしや、タコ糸や絹地で編んだエコたわしの利用を勧めています。また琵琶湖の水質改善のために開発された、水だけで汚れが落とせる綿の布巾も環境に優しい商品です。

生ゴミ入れ
台所のゴミを濡らさないようにすると、ビニール袋の使用を減らせると同時に、燃やす時に排出されるCO2を削減することができます。チラシや古新聞などで作るごみ入れが便利です。(作り方は「実践くらし快適術」でご紹介)作る手間がかけられない場合も、古新聞やチラシを台所の片隅に常備させると何かと重宝します。
商品選び
環境に配慮している企業の商品を購入することでも、環境保護につながります。過剰包装の商品はなるべく買わないという選択もあります。全ての買い物に当てはめることは難しいですが、日頃から企業の働きにも目を向けておくとよいでしょう。
また、洗剤、柔軟剤、洗顔剤、歯磨き粉といった製品には、プラスチック粒子であるマイクロビーズが使われているものがあります。マイクロビーズは下水処理を通り抜けて、そのまま海に放出されるため、生態系への影響が懸念されています。日常生活で購入する商品も意識して選びたいですね。
ごみを拾おう
海岸のビーチクリーンや河川のクリーン作戦をしている自治体、団体は身近に数多くあります。家族や友人と参加してみるのもよいでしょう。参加することが難しければ、日頃からごみを捨てず、持ち帰る習慣を。目についたごみを拾う心がけを持ちましょう。
少しの不便を楽しむ
昔はラップやキッチンペーパーといったものはなく、布巾を使用していました。しょう油や酢、油などの調味料もペットボトルではなく、瓶に入っていました。便利に使えるのはありがたい一方、ごみの排出につながります。海に流れ出たごみは食物連鎖を経て、再び人間に戻ってきます。子や孫、未来の地球環境を守るためにも、プラスチックフリーの生活を心がけるのは大切なことです。心にゆとりを持って少しの不便を楽しむ気持ちで生活したいものですね。
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▼▲▼実践! くらし快適術J▼▲▼
チラシがごみ入れに変身!

手元にあると便利なごみ入れ。昔、おばあちゃんがよく作っていたという人も多くいます。テレビを見ながら、お茶を飲みながら、簡単に作れるので、子どもと一緒に手を動かしてみませんか。
生ごみ入れ
台所の流しに置けば調理の時に出たごみを濡らさず捨てることができます。テーブルに置けばみかんの皮やお菓子の袋など、散らかりがちなごみをまとめることができます。
(作り方)
長方形の紙ならどのサイズでも作れますが、台所で使うものは二つ折りのチラシが使いやすいです。
1. チラシを4つ折りにする。

2. 角を三角に開く。(両側)

3. 右側から左にめくる。(裏にして同様に)

4. 右端を中央に合わせておる。(左側も同様に、裏も)

5. 下の端を上に折り返す。(裏も同様に)

6. 開けば出来上がり。

エチケット袋
生理用品を捨てる時に便利です。車の中やかばんの中にあると、鼻をかんだティッシュやガムの包み紙などを入れておくのに役立ちます。
(作り方)
長方形であればどのサイズでも作れます。両面使用したA4用紙が使いやすいです。
1.長い辺を2-3センチ折る。

2.折り目を外側にして、左右から三等分の幅に折り、上の紙を折り返した部分に入れ込む。

3.右上の角を折る。

4.半分に折り、下の折り返した部分に入れ込む。

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▼▲▼羽仁もと子の言葉▼▲▼
幸福を希(ねが)うのは人の至情であっても、知らずしらず今与えられている幸福に執着するのはまちがっている。幸福は今日あって、明日は俄(にわか)になくなるものである。幸福のうちにあるものは感謝しつつ、その幸福にとらわれずに、それぞれに自分のなすべきことを真剣につとめよう。
−「年のはじめに」羽仁もと子著作集『真理のかがやき』より
次回は3月11日(土)更新予定です。お楽しみに。